第49回作文コンクール入選作品
第49回作文コンクール入選作品

入選

《鳥取県鳥取市立西中学校》3年 酒井千華
 親切で超える世界の壁

 「親切は世界共通である」。
 これは、私が初めて海外へ行ったときに学んだことです。今年の夏に、私はオーストラリアへ行きました。海外へ行くことが初めてだった私は、「海外の人って怖くないかな」と先入観があって、とても不安を抱いていました。けれど、そんな気持ちはすぐに吹っ飛ぶことになりました。
 オーストラリアに行ってすぐに、スーパーマーケットで買い物をする機会がありました。当然海外での買い物は初めてだったので、商品を探すのも一苦労でした。ようやく商品を見つけてセルフレジで会計をしていたとき、途中でまったくやり方が分からなくなってしまったのです。周りに頼れる人もおらず、「どうしよう」と立ち尽くしていたとき、隣で会計をしていたおばあさんが優しく話しかけてくれました。
 最初こそ驚いたけれど、ゆっくり丁寧に教えてくれるおばあさんの姿を見て、とても温かい気持ちになりました。不安だらけの海外だったけれど、少し気持ちが和らいでほっとしたのを覚えています。
 また、オーストラリアにいる間、ホームステイも経験しました。緊張していた私を、ホストファミリーの人たちはとても明るく歓迎してくれました。会話の中で単語が聞き取れなかったときに、理解できるまで何回も繰り返してくれました。言葉が詰まってしまったときも、言いたいことを推測してくれたり、言葉が出てくるまで待ってくれました。分からないこともたくさんあったけれど、1つ1つ親身になって教えてくれました。親切はこんなにも人を嬉しくさせるのだと、改めて心の中に刻まれました。
 親切には、人種や言語の壁を越える力がある。そう、オーストラリアでの経験を通して実感しました。外国から来た私にどこまでも丁寧に、親切に接してくれた現地の人たち。本当の家族のように、優しくしてくれたホストファミリーの人たち。たくさんの人々と、言葉ではなくて心で通じ合うことができました。言葉が伝わらなくても、異なる環境で育ったとしても、相手を思いやる気持ちは世界共通だと気づきました。
 そして、今までの自分の生活を振り返ってみました。自分の親切が相手に拒まれたらどうしよう、とずっと勇気を出せなかった……。そんな自分を、とてもちっぽけな存在だと感じました。でも同時に、「ああ、私もこんなふうに誰かに寄り添ってあげたい」と心から思うことができました。
 前述したように、親切は世界中の人々の壁を越える力があります。いうなれば、人と人を繋ぐ架け橋のようなものです。私は親切の力が秘める可能性を信じて、これからは自信を持っていきたいと思います。そして、誰かのために勇気を出して頑張れる、そんな人になりたいです。

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