入選
《島根大学教育学部附属義務教育学校》8年 廣瀨和香
不安から安心へ
私が体験した「小さな親切」は、中学2年生の頃でした。私は、電車通学をしていて、帰りの電車でお弁当箱を忘れたことがあります。忘れたことに気づいたのは、忘れた当日の夕方ぐらいでした。前に体操服を電車に忘れてしまったときは、すぐに見つかったので、お弁当箱も最初はすぐに見つかるだろうと思っていました。しかし、見つかりませんでした。
お弁当箱を忘れてしまった次の日、駅員さんに聞いたところ「そういうものは届けられていません」と告げられました。私は、すぐに見つかるものだと思っていたので、とてもおどろきました。いつ見つかるだろうと考えていましたが、それと同時に、もし見つからなかったらどうしようとも思いました。
お弁当箱を忘れた2日後、電話がかかってきました。お弁当箱が見つかったという電話でした。それを聞いた瞬間とても嬉しかったです。ですが、お弁当箱がある場所は岡山県でした。私は「えっ」と、おどろきました。私がお弁当箱を忘れた電車は、出雲市行きから折り返しで新見(岡山県)行きだったのです。
私は、岡山県から出雲に届くまで、何日かかるのだろうという不安におそわれました。私が忘れたときは、夏のように暑い日で、何日もおいているとお弁当箱の中身が腐ってしまうという不安がありました。だから、岡山から出雲に来るまでに腐ってしまうと思いました。
お弁当箱を忘れた日から5日後、お弁当箱が届きました。腐ってしまった中身が入っているのだと、おそるおそる開けてみると、それはきれいに洗われていました。私はそのとき、とても嬉しい気もちになりました。お弁当箱の中身が腐ってしまって、匂いがとれないくらいになり、そのお弁当箱はもう使えないのだと思っていたので、とてもおどろいたし、とても嬉しかったです。
お弁当箱だけではなく、水筒もお弁当袋に入っていて、それもきれいに洗ってありました。また、お弁当袋は厳重に梱包(こんぽう)してあり、本当に嬉しかったです。一番感動したのは、中に、切符のようなものが入っていたことです。そこには、『岡山からお客様』とかかれていて、その裏には、『不安な気持ちになられたと思いますが、無事お客様へお渡しでき、私たちも大変嬉しく思います。』と書かれてありました。
私は、お弁当箱や水筒をきれいに洗ってくれて、厳重に梱包してくれただけでとても嬉しかったのに、切符のようなものもあって、日本はすごいなと思いました。日本は、サービスがすごいと動画でみたことがありますが、このことなんだと思いました。人が不安だと思っていることが分かっているかのように、不安な気持ちを安心に変えていくサービスを提供していて、とてもすごいと思いました。日本のサービスは、世界で1位といってもいいほどすごいものだと思います。「小さな親切」で、たくさんの人を幸せにできると思いました。
私も、人の気持ちを最優先してすごしていきたいと思いました。


