第42回 作文コンクール入賞作品
第42回 作文コンクール入賞作品

入選

《鳥取県》鳥取市立河原中学校1年 谷口 諒
『ぼくのかいた一本道』

入選 ぼくは雪が積もるといつも雪かきをしています。雪かきは時間もかかるし体力も使うのでとても大変です。
 ある日、お父さんに
「たかみさんの家の前の道も雪かきしてくれんか。」
と、言われたので
「家の庭の雪かきのついでにたかみさんの家の前の道も雪かきするけー。」
といってそれから雪が積もった日は弟と一緒に雪かきをするようにしました。
 そもそも、たかみさんというのは、となりに住んでいる足が不自由な一人ぐらしのおばあさんです。ぼくのおばあちゃんとも仲良しで以前に、おばあちゃんにも、
「雪かきをしてあげて。」
ともいわれていたので雪かきをするようにしました。
 やり始めたころはいろんな思いがありました。とくに、めんどくさいなあ、やりたくないなあという思いが強かったです。それでもぼくはたかみさんが雪が積もった日も地域の人に会えるようにするためにかきつづけました。お父さんやお母さんも仕事に出ていてできなくてぼくしかできる人がいないから積もった日は何回もかき続けました。その行動を何回もくりかえしているうちに、めんどくさいなあ、やりたくないなあという気持ちはだんだんなくなっていきました。
 ぼくは、家の庭の雪かきを早く終わらせて、すぐにたかみさんの家の前の道にとりかかりました。なぜなら家の庭よりたかみさんの家の前の道のほうが倍に長いからです。雪で段差ができてたかみさんがこけないようにとか、雪かきした道に横に積もった雪が落ちないようにとか、いろいろ考えて雪かきの道を玄関までつないげて歩けやすいようにしています。たまに弟も手伝ってくれます。いつもは家の庭も合わせて一時間四十分はかかっていたけど、弟と一緒ならだいたい一時間ぐらいで終わります。
 ある日たかみさんが足が悪いのにわざわざ家に来て、
「雪かきしてくれてありがとう。本当に助かっとるけえなあ。」
とほめてくれました。また別の日の雪かきをしていると、そのことに気づいたたかみさんから、
「いつも雪かきしてくれてありがとうな。きれいにかいてくれるけぇ、うれしいわ。」
ともほめてもらいました。そのことは、晩ご飯の話題になったりもします。
 このことでぼくは、人助けをしたら、人助けをした側もされた側もうれしくなれると、心に深く感じました。そしてこれからも、たかみさんだけでなく他の人にも人助けをしていこうと思います。

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