第48回 作文コンクール入賞作品
第48回 作文コンクール入賞作品

入選

《三朝町立三朝中学校2年》
北岡 武朗「あいさつが持つ秘めた力」

 あいさつとは、人とのつながり、仲を深めるための必需品であると僕は思う。また、あいさつは人を明るい気持ちにさせる力を持っていると思う。
 昔から、学校でも親からも「あいさつをしなさい」と言われてきた。僕は人見知りで、知らない人と話すのが苦手だったので、嫌々ながら地域の人にあいさつをしていた。しかし、あいさつをすると相手からもあいさつが返ってくる。自然と僕は明るい気持ちになって、自分からあいさつをするようになった。
 僕が住んでいる地域の人たちはとても温かく、「こんにちは」のあいさつだけでなく、「大きくなったねえ。今、何年生?」「学校、頑張ってる?」と声をかけてくれる。
 僕は、声をかけてくれた人全員の名前を知っているわけではないのだけれど、子どもの数が少ないからか、「北岡さんのところのお兄ちゃん」とよく言われる。時には、僕の両親や祖父母、曽祖父母の話も出てきて、代々地域の人に見守られていると思うと嬉しくなる。
 しかし、コロナ禍に入ると近所の人と会うことが急激に減り、今まで当たり前にやっていたあいさつをする機会も減った。僕自身外出を控えるようになったし、人を見かけても今までのようにあいさつをしようとはしなかった。
 あいさつによって得られていた安心感や嬉しさがなくなり、「まわりから忘れられてしまうかも……」「このまま交流がなくなってしまうかも……」という不安に襲われた。
 コロナ禍が4年目に入り、だんだんとコロナ禍前の状態に戻ってきた。まず、道で笑顔であいさつされることが増えた。声をかけられるとやはり嬉しくて、明るい気持ちになった。これまであった不安もなくなり、気持ちよく生活を送ることができるようになった。
 また、自粛していた地域のイベントも復活し、バドミントン大会ではたくさんの人が集まり、汗を流した。僕はバドミントンが苦手なので出場をためらったが、父に、「出てくれるだけでいい。勝つことが目的じゃなくて、交流が目的だから。」と言われ、勇気を出して参加した。結果はやはり負けてしまったが、たくさんの人から声をかけられたり、応援を受けたりしてとても楽しかった。みんなも久しぶりの交流を楽しんでいるようだった。
 僕は、人と会ったら必ずあいさつをする。なぜなら、自分も明るい気持ちになるし、きっと相手も明るい気持ちになっていると思うからだ。
 僕はこれからもあいさつを続け、人とのつながりや関わりを大切にしていきたい。

 

北岡さん

2023年11月24日開催 【東京】全国表彰式の模様

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